☑商品開発

もっと祈りの範囲を大きく捉えた場所を

匠さんの写真がはいる

当社：折井

「もっと祈りの範囲を大きくとらえた場所を」という素心さんの言葉を受け、どんなものがよいだろうと考えました。

ヒントになったのは素心さんの店内です。イメージしている仏壇屋さんではなくとてもユニークなんです。例えば店内の一角には井村屋のあずきバーやワンカップの形をしたローソクがあります。亡くなられた方が好きだったローソクシリーズです。形に捕らわれず、個人との繋がりを大切にするという想いが伝わりました。

また、伝統的な重厚なお仏壇もしっかりと用意されており、各家庭、個人に合った祈りの形を反映してくれるお店です。

それなら、思いっきり匠工芸の特色を生かした仏壇を作ろう「冒険をテーマにしていいのでは」と方針を決めました。

素心さんから、既存の木製家具調仏壇を持ち帰り、仏壇作りがはじまりました。

「旅立ち」という名のファンタジー仏壇

ファンタジー造形を得意とする匠工芸が祈りの場として考えたのが～旅たち～。

神殿の奥に広がる神々しい森。その深い森を歩いていると、大きな岩にささった伝説の剣を見つける。誰かを待つようにたたずむ伝説の剣を手にしたとき、新たなる旅が始まる。

僕たちは忙しすぎる毎日を送っています。リアルで生きている中で冒険の挑戦がなかなかできない。そこで、この仏壇のデザインには「あの世で新たな冒険をはじめてほしい」という思いを込め「旅立ち」という名前を付けました。

木製の仏壇を樹脂で囲い、レンガ風にアレンジ。仏壇を開けると深い森に入り込んでいくイメージです。LEDライトが伝説の剣を照らし出します。

２年待ってくれた

コラボレーションの形は様々です。一緒に企画を考えたり意見を出し合ったりもしますが、素心様は何も言わず僕たちの提案をお待ちくださいました。

後になって理由を聞くと「僕たち（素心側）が制作の途中で口を出すと仏壇仏具業界の色が入るので、ずっと黙っていようと決めていました」というお返事をいただきました。自分たちが販売する商品なので、進捗や企画内容は気になるはずですが、一切口をださないという覚悟に感服です。

その世界の常識に捕らわれずお仏壇作りができたことを心から感謝します。

☑商品名について

playではなくpray

サブタイトルであるprayer spotには祈る場所という意味があります。祈りの新しい形があってもいいという想いから、あえて仏壇ではなくプレイヤースポットという名前を素心様が付けられました。

prayer spotという名で仏壇を想像するのは難しいので、分かりやすくファンタジー仏壇と呼称をつけました。認識してもらう必要があったのは、より多くの人へ「いろんな形があってもいいんだ」と届けたかったからです。

☑良い悪いではない何か

完成を経て

リリースする怖さやプレッシャーはありました。「お仏壇を冒涜しているのでは？」とのご指摘を受けるんじゃないかとか。それでも、それらを受け止めながらやっていこうと思っています。

新しい祈りの形も素敵だと思いますし、昔からある仏壇もすごく好きです。特に一職人として仏壇を作るのにたくさんの職人の手が入り、造形されていく話を聞いた時には尊敬の念を抱きました。

この新しい仏壇が個人との繋がりを感じ得るものになったらと願っています。

またこれは素心様の願いでもありますが、亡き人を想う場所として長く大事に扱っていただけると幸いです。

「あの人はゲームやアニメ、漫画が好きだったな…」

亡き人が好んでいたモノにコトのひとつとして、この仏壇が誕生しました。好きなものは人それぞれ。今回制作した「旅立ち」以外にも、ご要望があれば様々な祈りのカタチをお作りします。